野外のもりこさんのN-VAN車中泊|荷室1,510mmで眠るための道具と場所

野外のもりこさんのN-VAN車中泊|荷室1,510mmで眠るための道具と場所のアイキャッチ画像

「軽自動車で、ひとりで車中泊してみたい。でも本当に眠れるのか、道具はどこまで必要なのか分からない」——そんなときに参考にされているのが、YouTubeチャンネル「野外のもりこ」です。静岡県を拠点に、Honda N-VANでのソロ車中泊を淡々と映す動画が支持を集め、チャンネル登録者数は25.2万人(2026年8月24日時点、公式チャンネル表示)に達しています。

結論から言えば、彼女のスタイルは「特別な装備で快適さを追い求める車中泊」ではありません。N-VANという軽バン1台を土台に、面倒を減らす方向へ道具を絞り込むやり方です。Honda公式の主要諸元表で確認すると、N-VANの荷室内側寸法は長さ1,510mm(左側・2名乗車時)、幅1,235mm、高さ1,370mm。この数字の中でどう寝床を作り、どこまで電気を使うかが、まねするうえでの分かれ道になります。

この記事では、公表されているプロフィールや取材記事、メーカー公式の数値をもとに、彼女の車中泊スタイルを分解します。N-VANの荷室が実際どこまで使えるのか、電源はどれくらい必要なのか、静岡でよく話題に上がる立ち寄り先はどこか。そのまま自分の車旅に落とし込める形で整理しました。

📌 この記事でわかること

・野外のもりこさんのプロフィールと、発信の中身(登録者数・著書・SNS)
・愛車Honda N-VANの荷室寸法と価格を公式数値で確認
・段差ゼロの寝床をつくる手順と、夏の暑さ・冬の結露への対策
・弁当箱炊飯器185Wとポータブル電源512Whで組む、現実的な電源計画
・静岡の立ち寄り先(道の駅 朝霧高原/道の駅 くるら戸田)の実データ

目次

野外のもりこさんとは?静岡発・N-VANひとり旅チャンネルの素顔

野外のもりこさんとは?静岡発・N-VANひとり旅チャンネルの素顔の解説画像

まず、人物像を整理します。公開されている情報は多くありませんが、公式プロフィールや取材記事から輪郭ははっきりつかめます。

登録者25.2万人・動画136本、静かに眠るまでを映すチャンネル

YouTubeチャンネル「野外のもりこ」は、チャンネル登録者数25.2万人、公開動画136本(いずれも2026年8月24日時点の公式チャンネル表示)。車中泊vlogとしては大きな規模です。内容は、山や海沿いの駐車場に車を停め、寝床を整え、コーヒーを淹れ、朝を迎えるまでを淡々と追う構成が中心。ナレーションで情報を詰め込むタイプではなく、環境音と手元の作業が主役になります。

この作風は「これから車中泊を始めたい人」にとって実用的です。開封レビュー型の動画と違い、車内で人がどう動くか、どこに何を置くかが映るため、自分の車に置き換えて想像しやすいからです。ソロ車中泊が中心で、たまに夫婦キャンプの回も入ります(なちゅガールズ プロフィール)。

注意点として、動画は「装備の正解」を示すものではありません。撮影地の気温や季節、駐車場のルールは回ごとに違います。同じ道具を揃えても、真夏の平地と標高の高い高原では必要な断熱も換気もまったく別物になります。動画は手順の参考にとどめ、装備は自分の使う季節と場所から逆算するのが安全です。

バンド「はぐち」のベーシストという、もうひとつの顔

意外と知られていませんが、彼女はガールズバンド「はぐち」でベースを担当しています(なちゅガールズ プロフィール)。動画のBGMに自身のバンドの曲が使われることがあり、映像とサウンドの一体感が生まれているのはこのためです。

車中泊の発信者としてこの背景が効いてくるのは、「時間の使い方」の描き方です。移動して、寝床を作って、何もしない時間を過ごす。その間の空気を音でつなぐ構成は、装備の紹介では埋められない部分を補っています。車中泊を「効率よく寝る手段」ではなく「時間を過ごす場所」として捉える視点は、旅の計画づくりにも応用できます。

一方で、機材や楽器を積む前提の人がまねする場合は積載の見直しが必要です。N-VANの最大積載量は350kg(4名乗車時200kg)とHonda公式の主要諸元表に明記されています。ベースアンプのような重量物を常時積むなら、寝床の高さやマットの厚みを削るより先に、積載と重心を確認しておきたいところです。

著書『小さな車で、ゆるり豊かなひとり旅』に書かれていること

2025年2月14日、KADOKAWAから初の著書『小さな車で、ゆるり豊かなひとり旅』が発売されています。定価1,760円(本体1,600円+税)、四六判208ページ、ISBN 9784046072870(KADOKAWA公式商品ページ)。

版元の紹介によれば、内容は劇的な出来事のない静かな旅の記録で、春から冬までの季節ごとの旅、温泉や景色、そして愛用している旅道具についても触れられています。動画では映らない「なぜその道具を選んだか」を文章で追えるのが書籍側の役割です。

使い方としては、装備リストを求めて読む本ではないと考えたほうが外しません。車中泊のノウハウ本を探しているなら、専門ムックやメーカー公式の情報のほうが数値は揃います。逆に、ソロの車旅を続けるモチベーションや、旅先での時間の使い方を知りたい人には向いています。1,760円という価格は、装備を1点追加するより先に「自分がどんな旅をしたいか」を決める投資として考えると納得しやすいはずです。

SNSとメディア出演|情報をたどるときの一次情報源

発信はYouTubeだけではありません。Instagram(@yagai_no_moriko)とX(@yagai_no_moriko)で近況が更新され、Hondaアクセスが運営するオウンドメディア「カエライフ」や、アウトドアメディア「SOTOBIRA」の取材記事にも登場しています。車中泊のコツをまとめたカエライフの記事では、実際の運用ルールが本人の言葉で語られています。

情報を集めるときは、SNSの断片よりも、こうした取材記事を先に読むほうが効率的です。装備の型番だけを追いかけると、なぜそれを選んだのかという判断基準が抜け落ちます。判断基準が分かれば、同じ製品が手に入らなくても代替品を自分で選べます。

注意したいのは、ネット上には本名や年齢を推測した二次情報が出回っている点です。公式プロフィールで確認できるのは静岡県在住であることとバンド活動くらいで、それ以外は本人が公表していません。記事や動画を参考にするときは、車や道具の情報と、真偽の確かめようがない個人情報を切り分けて扱うのが健全です。

愛車のN-VANは本当に寝られるのか|公式数値で荷室を検証

ここからは車の話です。彼女の愛車はHonda N-VAN(ガーデングリーン・メタリック)。2019年に新車で購入し、当初は後部座席にマットを敷いて寝袋で眠る簡易スタイル、2021年頃からカスタムを本格化させたと語られています(カエライフ)。

荷室長1,510mm・高さ1,370mmという数字をどう読むか

Honda公式の主要諸元表によると、N-VANの荷室内側寸法は長さが左1,510mm/右1,330mm(4名乗車時は785mm)、幅1,235mm(4名乗車時1,390mm)、高さ1,370mmです。荷室長1,510mmは、そのままでは大人が足を伸ばして寝るには足りません。ここが最初のつまずきポイントになります。

解決策は助手席の畳み込みです。N-VANは助手席の背もたれを前に倒し、座面ごと足元に収納できる構造で、発表時の資料では助手席とリアシートを前に倒した最大スペース長は2,635mm、側面開口部は1,580×1,230mmと紹介されています(Car Watch)。身長170cm前後なら、左側に沿って足を伸ばして横になれる計算です。

使う場面としては、ソロ車中泊なら助手席側を寝床、右側を荷物置き場にする分け方が定番になります。荷室高1,370mmは、床にマットを敷いても座って着替えができる高さです。ただし、寝床を左側に寄せる以上、荷物は右側に縦に積む必要があり、就寝中に取り出したい物(ライト、飲み物、モバイルバッテリー)は枕元に別途まとめておかないと、暗い車内で荷物を崩すことになります。

数字で並べるとわかる、軽バン車中泊の実力差

N-VANが唯一の選択肢というわけではありません。同じ軽バンでも、荷室の形は車種でかなり性格が違います。各メーカー公式の主要諸元表から、車中泊で効く数値だけを抜き出して並べました(車中泊&キャンピングカーの教科書調べ/2026年8月時点)。

比較項目 Honda N-VAN スズキ エブリイ(バン) Honda N-VAN e:
荷室長(2名乗車時) 左1,510mm/右1,330mm 1,820〜1,910mm ガソリン車に準じる
荷室高 1,370mm 1,240mm 1,370mm
全高 1,945〜1,960mm 1,895mm 1,945〜1,960mm
最大積載量 350kg(4名時200kg) 350kg(4名時250kg) 350kg
価格(税込) 1,498,200円〜2,269,300円 923,400円〜(公式で要確認) 2,699,400円/2,919,400円

数字だけ見ればエブリイの荷室長1,820〜1,910mmが有利です。助手席を畳まずに寝られるぶん、荷物の置き方に自由が生まれます。一方でN-VANは荷室高1,370mmと、センターピラーレスの「ダブルビッグ大開口」による出入りのしやすさが持ち味。どちらが正解かではなく、寝床の長さを取るか、車内での動きやすさを取るかという選択です。

就寝人数と積載350kg|どこまで積めて、何人眠れるか

N-VANの乗車定員は2名(4名仕様あり)で、車中泊の現実的な就寝人数は大人1〜2名です。2名で眠る場合、荷室幅1,235mm(4名乗車時1,390mm)を2人で分けることになり、1人あたり約60cm。シングル布団より狭い計算なので、寝返りを打つ余裕は生まれません。

積載の面では、最大積載量350kg(4名乗車時200kg)が上限です。ポータブル電源、クーラーボックス、水、寝具、着替えを積んでも重量そのものが問題になることは少なく、実際に効いてくるのは体積のほうです。荷室高1,370mmを縦に使える収納ボックスを選ぶと、床面積を寝床に回せます。

ファミリーでの利用を考えている場合は、素直に別の選択肢を検討したほうがよいでしょう。大人2名+子ども1名で眠るには幅が足りず、就寝スペースを確保すると荷物の置き場がなくなります。ソロか夫婦2名までが、N-VAN車中泊の適正ラインです。

🚐 スペック情報
車種名Honda N-VAN(2026年3月19日発表 改良モデル)
メーカー本田技研工業
価格帯1,498,200円〜2,269,300円(税込)
荷室寸法長さ左1,510mm×幅1,235mm×高さ1,370mm(最大スペース長2,635mm)
ボディサイズ全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,945〜1,960mm
定員/就寝人数乗車定員2名(4名仕様あり)/就寝の目安は大人1〜2名
特徴助手席が座面ごと畳める。WLTC燃費18.6〜23.8km/L、燃料タンク25〜27L、最大積載量350kg

初期投資149万円台をどう考えるか|EVという選択肢も出てきた

Honda公式サイトの表示では、N-VANのメーカー希望小売価格は1,498,200円〜2,269,300円(税込)。2026年3月19日には特別仕様車「FUN NATURE STYLE」にターボ仕様が追加され、装備面も更新されています。車中泊専用に買うには小さくない金額です。

判断材料になるのは、年間何泊するかです。1泊あたりの宿泊費を8,000円と仮定して年20泊すれば16万円。車両価格をそこだけで回収する発想は現実的ではありませんが、通勤や買い物と兼用できる商用登録の軽バンであれば、生活費の一部として捉え直せます。

電力を重視するならN-VAN e:という選択肢もあります。e: L4が2,699,400円、e: FUNが2,919,400円(税込)、一充電走行距離は245km(WLTCモード)とHonda公式に記載があり、給電機能付車両として東京都では100,000円の補助金が案内されています。ただし航続245kmは長距離の車旅では制約になり、充電計画が旅程を縛ります。近場中心ならEV、走行距離が読めないならガソリン車、という分け方が無難です。

「テントより車のほうが安全でラク」その考え方はどこから来たか

「テントより車のほうが安全でラク」その考え方はどこから来たかの解説画像

装備の前に、続けられる理由を押さえておきます。取材記事で語られている内容は、初心者がつまずく場所とほぼ正確に対応しています。

雨予報の日にこそ出かけるという発想の転換

「テントを張るより、車内で眠ったほうが安全でラクチン」「雨予報だから出かけよう!という日も増えました」——カエライフの取材で語られている言葉です。テント泊では中止か決行かで悩む雨が、車中泊では出かける理由に変わる。この転換が、年間の稼働日数を大きく変えます。

実際、雨の日の車中泊は静けさの点で有利です。屋根を叩く雨音は車内で聞くと落ち着いた音になり、設営も撤収もありません。テントの乾燥作業という帰宅後の面倒もなくなります。

ただし雨の日ならではの注意点もあります。湿度が上がるため結露しやすく、濡れた靴や上着を車内に持ち込むと湿気がこもります。前室のないクルマでは、玄関代わりのマットとレジ袋を用意して、濡れ物を隔離する場所を先に決めておく必要があります。

前日か当日に決める、片道2時間圏内の旅

行き先は「だいたい当日か前日に決めます」、活動範囲は片道2時間以内が中心と紹介されています(カエライフ)。この距離感は、まねをするうえで重要な指標です。

片道2時間なら、夕方に出発しても暗くなる前に到着でき、翌朝に予定があっても戻れます。長距離を走らないぶん運転の疲れが残らず、「休むために出かけたのに疲れて帰る」という本末転倒を避けられます。ソロ車中泊が続く人ほど、行動範囲を広げすぎていない傾向があります。

一方で、直前に決めるスタイルには下準備が要ります。寝具や調理道具を積みっぱなしにしておかないと、出発前の積み込みで気持ちが折れるからです。逆に言えば、車に道具を常設できるかどうかが、思いつきで出かけられるかどうかを決めます。積みっぱなしにする場合は、夏場の車内温度で劣化する食品や電池類を置かないことが条件です。

実は、快適さより「面倒がないこと」が続くコツ

SOTOBIRAの取材では「癒やしを求めにいく娯楽なのに、面倒な気持ちになりたくない」という考え方が語られています。装備を増やすほど快適になるはずなのに、実際には出発のハードルが上がって回数が減る——これは車中泊で起きがちな逆転現象です。

意外と知られていないのは、快適装備の多くが「設営時間」という形でコストを払わせる点です。ベッドキットを毎回組み立てる、テーブルを展開する、シェードを1枚ずつ嵌める。1回3分の作業でも、10工程あれば30分になります。到着が19時なら、寝るまでの時間の大半が準備に消えます。

対策はシンプルで、「積んだまま・敷いたまま」で成立する構成に寄せることです。マットは畳まず丸めるだけ、シェードは全窓分をまとめて1袋に入れる、調理は1つの道具で完結させる。装備の数を減らすのではなく、動作の数を減らすと考えると選び方が変わります。

💡 車旅メモ

道具を選ぶときは「使う時間」ではなく「出す・しまう時間」で比べると失敗が減ります。展開1分・収納5分の道具は、2泊3日で往復6回、合計36分を消費します。同じ機能なら、収納が雑でも成立するもののほうが車旅では長く使えます。

失敗パターン①|夏にエンジンを切ったら眠れなかった

車中泊を始めた人がまず直面するのが夏の暑さです。日中に35℃近くまで上がった平地の駐車場では、日没後も車内温度がなかなか下がりません。エアコンを使いたくてもアイドリングは避けるべきで、結果として汗だくで一睡もできず、深夜に帰宅する——というパターンが起こります。

原因は、駐車場所の選定と換気設計の欠落です。対策は3つ。第一に標高を上げること。彼女の活動圏である静岡なら、標高900m前後の朝霧高原周辺は平地との気温差が期待できます。第二に日陰と風向きを見て駐車すること。第三に、窓用の虫よけネットとUSB扇風機で空気の通り道を作ることです。

それでも耐えられない気温なら、その日は車中泊をやめる判断が必要です。エンジンをかけたまま眠るのは、燃料の無駄という以前に安全上のリスクがあります。特に降雪時や積雪した駐車場ではマフラー周辺が塞がれ、排気ガスが車内に流れ込む事故につながります。日本RV協会もくるま旅のマナーで、無駄なアイドリングをしないことを呼びかけています。

⚠️ 車中泊の注意点

エンジンをかけたままの就寝は避けてください。特に積雪時はマフラー周辺が塞がれ、排気ガスが車内に入り込む危険があります。体調に異変を感じたら、すぐに車外の空気を吸い、状況によっては119番通報を。暑さや寒さで眠れないときは、無理をせず宿泊施設へ移動する判断も選択肢に入れておきましょう。

段差ゼロの寝床をつくる3ステップ|マット・目隠し・換気

ここからは実践編です。N-VANに限らず、軽バンで眠るための手順は共通しています。彼女も最初は「後部座席にマットを敷いて寝袋で眠る」簡易スタイルから始めています(カエライフ)。

ステップ1|床の凹凸をマットで殺す

最初にやるべきは、床を平らにすることです。N-VANは助手席とリアシートを畳むとおおむね平坦になりますが、シートを畳んだ部分と荷室床面にはわずかな段差と隙間が残ります。ここを放置すると、腰の位置に段差が来て何度も目が覚めます。

手順は、まず10mm前後の断熱マットで全面を覆い、その上に厚みのある就寝用マットを重ねる二層構成。下層は断熱と隙間埋め、上層は寝心地の担当です。荷室長1,510mmに合わせて上層マットを敷き、足元は助手席を畳んだ部分まで伸ばします。

ソロなら幅60cm前後のマットで足り、残りの幅を荷物置きに使えます。夫婦2名なら幅1,235mmを分け合う形になるため、厚みより幅を優先したほうが眠れます。注意点は、厚さ10cmを超えるマットを選ぶと荷室高1,370mmの余裕が減り、座ったときに頭がつかえること。着替えを車内で済ませたいなら、マットは厚くしすぎないほうが快適です。

ステップ2|目隠しは「全窓ぶんを一度に」用意する

目隠しは防犯とプライバシー、そして断熱を兼ねます。半端に前席だけ塞いでも、後席側の窓から光が漏れれば外から車内の様子は分かります。最初から全窓分を揃えるのが結論です。

N-VANはガラス面が広く、市販の汎用シェードでは端に隙間が出ます。銀マットを窓形に切り出して吸盤で留める方法なら、材料費を抑えつつ隙間なく塞げます。切り出したシェードは重ねて1つの袋にまとめ、順番どおりに入れておくと、装着が数分で終わります。

使う場面としては、道の駅やRVパークのように周囲に人がいる場所ほど効果が出ます。デメリットは車内が完全に暗くなること。朝日で自然に目覚めたい人は、東側の窓1枚だけシェードを外して眠るなど、調整の余地を残しておくとよいでしょう。加えて、窓に断熱材を密着させると結露が窓枠側に溜まりやすくなるため、朝に拭き取る手間は増えます。

ステップ3|換気の道をつくる(失敗パターン②|朝、車内が水滴だらけ)

冬に多い失敗が結露です。締め切った車内で一晩眠ると、呼気に含まれる水分が窓や天井に付着し、朝には水滴だらけになります。寝袋の足元が湿り、放置すればカビの原因にもなります。

原因は、車内の湿気の逃げ場がないこと。人ひとりが一晩で吐き出す水分は無視できない量になり、そこに調理や湯沸かしが加われば湿度はさらに上がります。対策は、対角線上の2箇所の窓を数センチ開け、空気の通り道を作ること。虫や雨が気になる季節は、防虫ネットや純正のドアバイザーを併用します。

加えて、就寝前に湯を沸かす調理を車内で行わない、濡れた衣類を車内に干さない、朝起きたらすぐ拭き取る。この3点を守るだけで被害はかなり抑えられます。それでも冷え込む夜は結露が出ますから、吸水クロスを枕元に常備しておくと朝の作業が短く済みます。

荷物の定位置を決めると、寝返りが打てるようになる

寝床が整っても、荷物が散らかっていれば実質的な就寝スペースは狭くなります。荷室幅1,235mmのうち、寝床に60cm使うなら、残り60cm強が荷物の領域です。ここを縦方向に積むか、床に広げるかで寝心地が変わります。

おすすめは、荷室高1,370mmを活かして収納ボックスを2段に積む方法。下段に重い物(水、工具、ポータブル電源)、上段に軽い物(衣類、食品)を入れれば、走行中の安定と取り出しやすさを両立できます。枕元には、ライト・飲み物・スマホ・眼鏡を入れる小さなポーチを1つ置きます。

注意点は、走行中に荷物が動くことです。急ブレーキで収納ボックスが飛ぶと危険なので、荷室のフックやベルトで固定します。最大積載量350kgに届く積み方をする人は少ないものの、重い物を高い位置に積むと横風でふらつきやすくなります。重い物ほど床に近づけるのが原則です。

ひとり旅の食事は電源から考える|185Wの炊飯器と512Whの計算

取材記事では、愛用ギアとして「ちょこっと家電(HAC)」と「高速弁当箱炊飯器(サンコー)」が挙げられています(SOTOBIRA)。この2つに共通するのは、少ない電力で1人分だけ作れることです。

弁当箱型の炊飯器7,480円は、車中泊の食事をどう変えるか

サンコーの「おひとりさま用超高速弁当箱炊飯器」は、公式通販サイトの表示で7,480円(税込)。サイズは幅240×奥行き100×高さ80mm、重量は約740g(フタ含む/ケーブル込み約840g)、消費電力は約185W、炊飯容量0.18L(1合)です(サンコー公式通販)。

炊飯時間は0.5合で約14〜19分、1合で約19〜24分(浸水・蒸らし時間を除く)。火を使わないため、駐車場でバーナーを出せない場所でも温かい食事にありつけます。道の駅のようにキャンプ行為が禁止されている場所では、この「車内で完結する」性質が効いてきます。

デメリットも明確です。容量は1合までなので2人分には足りず、炊き上がりまで20分前後は電源を占有します。また調理中は蒸気が出るため、換気なしで使えば結露の原因になります。使う場面は、日が落ちてから寝るまでの間に1人分の主食を用意したいとき。おかずは道の駅で買った惣菜と組み合わせるのが現実的です。

512Whのポータブル電源で、何回ごはんが炊けるのか

電源の目安を数字で出します。Jackeryの「ポータブル電源 500 New」は容量512Wh、定格出力500W、公式サイトの表示価格は59,800円(税込)。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、6,000回の充電サイクル後もバッテリー残量70%を維持、保証は5年(3年+2年の自動延長)とされています(Jackery公式)。

185Wの炊飯器を20分使うと、消費電力量は185W×0.33h≒61Wh。変換ロスを見込んで70Whとしても、512Whなら計算上7回分の炊飯に相当します。実際にはスマホ充電、USB扇風機、LEDランタン、電気毛布などが加わるため、1泊で使うのはおおむね100〜200Whのレンジに収まります。1泊2日なら容量512Whで足り、2泊以上や電気毛布を使う冬なら1,000Wh級を検討する、という線引きになります。

注意すべきは定格出力です。500Wを超える家電(ドライヤー、電子レンジ、電気ケトルの多く)は動きません。炊飯器185Wは余裕で収まりますが、「電源があるから何でも動く」と考えると当日に困ります。購入前に、使いたい家電の消費電力を合計して確認しておくのが確実です。

DC出力専用モデルという落とし穴

ポータブル電源選びで見落とされがちなのが、コンセント(AC出力)の有無です。たとえばJackeryの「ポータブル電源 300D」は容量288Wh、定格出力300W、重量2.5kgと軽量ですが、DC出力専用モデルとして案内されています。USB機器やDC家電には使えても、家庭用プラグの炊飯器はつなげません。

選ぶ手順としては、まず使いたい家電のプラグ形状を確認し、ACが必要なら定格出力に余裕のあるモデルを選ぶこと。USB充電とライトだけで足りるなら、軽量なDC専用モデルのほうが持ち運びは楽です。2.5kgと6kg超では、車から施設へ持ち出すときの負担がまるで違います。

もうひとつの選択肢が走行充電です。走行中にシガーソケットや専用配線から充電すれば、移動そのものが充電時間になります。ただしシガーソケットの出力は限られており、大容量モデルを満充電にするには長時間の走行が必要です。エンジン停止中にシガーソケットから使い続けると、車のバッテリーが上がってエンジンがかからなくなる点にも注意が必要です。

Q. ポータブル電源は本当に必要ですか?1泊なら無しでも大丈夫では?
A. 春・秋の1泊なら、モバイルバッテリーとLEDランタンで足ります。必要になるのは、電気毛布を使う冬と、扇風機を回し続ける夏です。まず数回泊まってみて、「電気が足りずに困った場面」を確認してから買うほうが、容量選びを外しません。

コーヒーを淹れる20分を、無駄と思わなくなる場所

SOTOBIRAの取材では、コーヒー豆を挽く時間を「スーパーゴリゴリタイム」と呼び、「普段、むだ遣いに感じる時間でも車中泊キャンプだと有意義」と語られています。自宅なら1分で済ませたい作業に、あえて時間をかける。これは装備の話ではなく、車中泊の目的そのものの話です。

道具としては、手挽きミル、ドリッパー、湯を沸かす手段の3点で成立します。電源を使うなら電気ケトルではなく、消費電力の小さい調理器具を選んだほうがポータブル電源への負担が減ります。カセットコンロを使う場合は、火気の使用が認められた場所かどうかを必ず確認してください。

注意点は、道の駅やSA・PAでの車外調理です。日本RV協会のマナーでは、オーニングやテーブル、バーナーを車外に持ち出さないことが示されています。コーヒーを淹れるなら車内で、湯気の逃げ道を作った状態で。景色は窓から眺めるものと割り切ると、トラブルを避けられます。

予算別に見る、まねしやすい装備の揃え方

装備は一度に揃える必要がありません。彼女自身、簡易スタイルから始めて2021年頃にカスタムを本格化させています。予算帯ごとに、優先順位を整理します。

5,000円以下|まず「寝られるかどうか」だけを確かめる

最初の予算帯でやることは、装備を買い込むことではなく、自分の車で眠れるかを確かめることです。必要なのは、床の凹凸を埋める銀マット、窓を塞ぐ材料、そしてLEDライト。ホームセンターと100円ショップで揃う範囲で足ります。

この段階では、自宅の駐車場や近所の合法的に駐車できる場所で一晩試すのが確実です。トイレの近さ、外の音、明るさ、寝返りの打ちやすさ。実際に横になって初めて分かる問題が必ず出てきます。ここで見つかった不満が、次に買うべき物を教えてくれます。

デメリットは寝心地です。銀マットだけでは体が痛くなり、朝まで眠れない人もいます。ただ、この不便さを一度経験しておくと、次のマット選びで「厚み」の意味が分かります。いきなり高価なベッドキットを買って車内が狭すぎた、という失敗を避けられます。

1万〜3万円|眠りの質と食事を1段ずつ上げる

次の予算帯では、就寝用マットと調理手段に配分します。マットは厚み8cm前後のインフレーターマットが扱いやすく、丸めて積みっぱなしにできるタイプなら出発のハードルも上がりません。

食事側では、サンコーの弁当箱炊飯器7,480円(税込)のような1人用調理器が候補になります。同社は2026年8月17日に「真・2段式弁当箱炊飯器」を発表し、公式通販での販売価格は8,980円と案内されています。ごはんとおかずを同時に扱えるタイプで、こちらは在庫と仕様を公式サイトで確認してから選ぶとよいでしょう。

この帯で気をつけたいのは、収納場所を決めずに買い足すことです。道具が増えるほど積み込みに時間がかかり、思い立って出かけられなくなります。1つ買ったら1つの定位置を決める。この運用ができていれば、装備が増えても出発の速さは保てます。

3万円以上|電源と断熱に投資する段階

3万円を超える予算があるなら、優先すべきは電源です。Jackery ポータブル電源 500 New(512Wh/定格500W/59,800円・税込)のようなモデルを導入すると、電気毛布やUSB扇風機を気兼ねなく使え、車中泊できる季節が広がります。

断熱への投資も効果が大きい部分です。窓用の断熱シェードを既製品で揃える、床下に断熱材を追加する、寝袋を季節に合ったものに買い替える。特に冬は、電気毛布より先に「床からの冷え」を断つほうが結果が出ます。地面に近い軽バンの床は、外気温がそのまま伝わります。

注意点として、ここまで来ると車内の重量と体積が一気に増えます。ポータブル電源1台で6kg前後、断熱材や収納で数kg。最大積載量350kg(4名乗車時200kg)には届かなくても、走行安定性と燃費には影響します。買い足すたびに「これは毎回積むのか、行き先によって降ろすのか」を決めておくと、車内が荷物置き場になるのを防げます。

軽バン車中泊のメリット軽バン車中泊のデメリット
設営・撤収がなく、雨でも出発できる
荷室高1,370mmで座ったまま着替えられる
燃費18.6〜23.8km/L(WLTC)で移動コストが低い
維持費が軽自動車枠に収まる
就寝は大人1〜2名が限界
助手席を畳まないと足を伸ばせない
断熱性能が低く、夏と冬は対策が必須
荷物と寝床が同じ空間を取り合う

静岡でたどる立ち寄り先|道の駅の実データとマナー

最後に、行き先の話です。彼女の活動圏である静岡県には、車旅で名前の挙がる道の駅がいくつもあります。ここでは国土交通省中部地方整備局の公表データと施設公式サイトで確認できた2施設を紹介します。

富士山の西麓、標高の高さが夏に効く「道の駅 朝霧高原」

国道139号沿い、富士山の西麓に位置する道の駅です。売店・アイス工房・食堂・野菜直売所を備え、令和6年3月1日にリニューアルオープンしています。中部地方整備局のデータでは、駐車場は大型11台・普通車72台・身障者用2台、トイレは男子15器・女子18器と、規模の大きい部類に入ります。

📍 道の駅 朝霧高原
住所 〒418-0101 静岡県富士宮市根原字宝山492-14
電話番号 0544-52-2230
営業時間 売店・アイス工房 8:00〜17:00/食堂 9:00〜17:00(ラストオーダー16:00)
駐車場 大型11台・普通車72台・身障者用2台
トイレ 男子15器・女子18器
公式サイト 道の駅 朝霧高原 公式サイト

車旅の視点では、標高の高さが強みになります。夏の平地で寝苦しい夜も、高原まで上がれば体感は変わります。ソフトクリームやジェラート、富士宮産の高原野菜など、翌朝の食料を仕入れる場所としても機能します。ただし冬季は路面凍結と積雪の可能性があり、スタッドレスタイヤなしで向かうのは避けたほうが安全です。営業時間は季節で変動するため、食事を当てにするなら公式サイトの確認を。

500円の温泉が併設された「道の駅 くるら戸田」

西伊豆・戸田地区にある道の駅で、日帰り温泉「戸田温泉 壱の湯」が併設されています。入浴料は大人(中学生以上)500円、小人(小学生)250円。営業は10:00〜21:00(最終受付20:30)で無休と公式サイトに記載があります。中部地方整備局のデータでは駐車場は大型3台・普通車42台・身障者用2台、トイレは4器です。

📍 道の駅 くるら戸田(戸田温泉 壱の湯)
住所 〒410-3402 静岡県沼津市戸田1294-3
電話番号 0558-94-5151
営業時間 交流ロビー 8:30〜22:00/温泉 10:00〜21:00(最終受付20:30)/物販・軽食 10:00〜18:00
入浴料 大人(中学生以上)500円/小人(小学生)250円
定休日 温泉は無休
駐車場 大型3台・普通車42台・身障者用2台
公式サイト 道の駅 くるら戸田 公式サイト

温泉が併設された道の駅は、車旅の途中で体を温められる点で価値があります。500円という入浴料は、遠征の途中に立ち寄る施設としては負担が小さい部類です。一方で普通車42台と規模は大きくないため、混雑時に長時間駐車すると他の利用者の迷惑になります。公式サイトのアクセス案内にも「長時間の滞在はご遠慮ください」という趣旨の注記があり、休憩と入浴を目的に使うのが前提です。

道の駅で寝てもいいのか|RVパークという選択肢とマナー10ヶ条

結論として、道の駅は宿泊施設ではありません。日本RV協会はくるま旅のマナー10ヶ条で、道の駅やSA・PAでの休息は必要最小限の仮眠にとどめること、オーニングやテーブル、バーナーを車外に持ち出さないこと、ゴミを置いていかないこと、無駄なアイドリングをしないことなどを示しています。

「泊まる」ことを目的にするなら、日本RV協会が認定するRVパークが選択肢になります。電源やゴミ処理、入浴施設への案内など、車中泊を前提にした条件を満たした施設が認定されており、料金を払って堂々と一晩過ごせます。仮眠と宿泊を線引きし、宿泊はRVパークやオートキャンプ場を使う——この使い分けが、車中泊文化を続けるための最低条件です。

実際のトラブルとしてよくあるのが、道の駅の駐車場でテーブルと椅子を広げて食事をしていて注意される、深夜まで話し声が響いて苦情になる、という2パターンです。いずれも悪意なく起きます。到着したらまず掲示板でその施設のルールを読み、駐車枠の外に物を出さない。この2つを守るだけで、ほとんどの摩擦は避けられます。

まとめ|野外のもりこさんのスタイルから持ち帰れること

🚐 この記事の結論

N-VAN車中泊の要は装備の量ではなく、面倒を減らす構成です。荷室長1,510mmと助手席の畳み込みを前提に寝床を組み立てましょう。

✅ 要点チェック
  • チャンネル規模:登録者25.2万人・動画136本
  • 愛車:Honda N-VAN、2019年に新車購入
  • 荷室:長さ1,510mm×幅1,235mm×高さ1,370mm
  • 電源:炊飯器185W、512Whで1泊は十分
  • 行動範囲:片道2時間圏、前日か当日に決める
  • 宿泊:道の駅は仮眠、泊まるならRVパーク

ここまで、野外のもりこさんの発信内容と、そこから読み取れる車中泊の組み立て方を整理してきました。彼女のスタイルが参考になるのは、装備が特別だからではありません。「面倒だと感じたら続かない」という前提を置いて、道具と行き先を選んでいるからです。片道2時間圏内、前日か当日に決める、雨の日こそ出かける。この3つが、年間の車中泊回数を決めています。

車の側から見ると、N-VANは荷室高1,370mmと助手席の畳み込み機構によって、軽自動車でありながら「車内で生活する」動作が成立する数少ない選択肢です。ただし荷室長は左1,510mmで、そのままでは足を伸ばせません。助手席を畳んで最大スペース長2,635mmを使う前提で寝床を設計することが、最初の一歩になります。

電源については、185Wの弁当箱炊飯器を20分動かして約61Wh。512Whのポータブル電源なら1泊で不足することはまずありません。逆に、電気毛布を一晩使う冬の車中泊では容量が足りなくなるため、季節ごとに必要量を計算してから買い足すのが失敗しない順序です。

最初の一歩としておすすめしたいのは、装備を買い揃える前に、自宅の駐車場で一晩眠ってみることです。床の段差、外の音、朝の結露、トイレの遠さ。実際に横になれば、自分に足りないものが具体的な形で見えてきます。そのうえで銀マットから始め、マット、炊飯器、ポータブル電源と順に足していけば、使わない装備で車内が埋まることもありません。

行き先は、まず片道2時間以内で探してみてください。静岡なら道の駅 朝霧高原や道の駅 くるら戸田のように、標高や温泉といった分かりやすい目的がある施設があります。仮眠と宿泊の線引きを守り、泊まる目的ならRVパークを選ぶ。それが、車旅を長く楽しむための前提です。なお、料金・営業時間・車両価格は変更される場合があるため、出発前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

キャンピングカー愛好家。RVパークや道の駅での車中泊体験を中心に、車中泊グッズの選び方やキャンピングカーの比較情報を発信しています。「自由に旅する暮らし」の楽しさと実用的なノウハウをお届けします。

コメント

コメントする

目次